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ベトナムの中間・富裕層が急増、20年には人口の3割超

記事の概要

アメリカの大手コンサルティング会社、ボストン・コンサルティング・グループは、ベトナムの中間層と富裕層は現在の1,200万人から2020年には3,300万人に増加し、人口の3割を超える見込みだと発表した。

同社は現在1,800ドル程度であるベトナムの1人あたりGDPが2020年には3,400ドルに上昇すると予想している。

また、調査に回答したベトナム人の大部分が、同国の経済が今後上向くと考えており、今後はより多く支出するつもりと回答したとしている。

元の記事を読む→ 【2013年12月29日:サーチナ

拡大するベトナムの中間層

すでに人口ピラミッドが壺形になっている日本や韓国、中国、タイとは異なり、多くの東南アジア諸国は今後も高い成長が見込まれます。ベトナムもそういった国の一つです。

で、今回の調査報告ですが、ボストン(超省略w)は1ヶ月あたりの世帯所得が7万5千円以上である世帯を中間層および富裕層と定義しており、これが2020年には人口の3割を超えると予想しております。

世帯あたり年間可処分所得
富裕層$35,000以上
中間層$5,000~$34,999

日本の農林水産省も同様の見解を示しています。農水省の中間層、富裕層の定義は左の表の通りですが、2020年には双方合わせて人口の50%を超えると予測しています。(出典:農林水産省

ボストンと農水省では定義も2020年の割合も異なりますが、いずれにしてもベトナムで中間層が拡大することは間違いないようです。

2020年までに1人あたりGDP3,000ドル突破!

またボストンは、1人あたりGDPが2020年には3,400ドルに達するとしています。ベトナム政府も2020年には3,000~3,200ドルに引き上げることを目標としていますので、いずれにしても2020年頃に3,000ドルを超えることは間違いないでしょう。(出典:ベトナム経済及び市場の最新動向

よく知られていることですが、1人あたりGDPが3,000ドル(一説には3,500ドル)を超えると、家電や自動車などの耐久消費財の売れ行きが急拡大すると言われています。あと10年足らずでベトナムがその状況になるということです。

じゃぁ、現時点でベトナムでは耐久消費財がどれくらい普及してるの?って思って調べてみたんですが、ぶったまげました! 下記ご覧ください。(出典:独立行政法人日本貿易振興機構

エアコンカラーTV乗用車パソコン冷蔵庫洗濯機電子レンジ
マレーシア26.296.561.537.784.891.837.2
タイ13.696.613.327.587.350.861.0
フィリピン10.690.311.823.847.537.929.1
インドネシア6.786.57.814.625.128.022.8
ベトナム4.586.01.111.029.912.617.1

じぇんっじぇん普及してへんやん! 乗用車はともかくとして、冷蔵庫が3家庭に1台、洗濯機なんて10家庭に1台、エアコンに至っては20家庭に1台だけです。ってことは、2020年頃からこれらがジャンジャンバンバン売れまくるってことです。

しかも、中間層が国民の半分になるとした農水省の資料ですが、同じ資料の中で2020年のベトナムの人口を9,600万人と予想しています。その半分ってことは4,800万人。つまり、韓国と同じ規模のマーケットがポコンと1つ誕生するってことです。こらえらいこっちゃ。

日本はどうすべきか?

では、2020年に急拡大するベトナムマーケットに対して、我々日本はどう対処すべきなのでしょうか?

僕の考えとしては、乗用車以外は日本はこのマーケットで消費財そのものを販売すべきではないと思います。パソコンやテレビといった黒物家電はすでに韓国や台湾のメーカーがメインプレーヤーです。冷蔵庫や洗濯機といった白物家電に至っては、中国メーカーの天下で、もはや韓国企業ですら勝ち残るのが難しい様相です。

韓国どころか中国企業がコスト競争力で勝負をかけてるカテゴリーで、もはや日本の家電メーカーに勝つ余地はないでしょう。ハイエンド商品で勝負をかけるという戦略が失敗に終わることは、ソニーもパナソニックも中国で思い知らされたはずです。

今年の夏にベトナムに行った時に家電量販店をいくつか見たのですが、シャープやパナソニックが単機能の安い炊飯器を売っているのを見て愕然としました。シャープがおかしくなって三洋が倒産するのも無理からぬことだと思いました。

ではどうすれば良いのか? やはり生産財勝負ではないでしょうか。中国や韓国の家電メーカーが製品を製造する際に必要となる工作機械や、彼らが作れない部品、そういったものに活路を見出すべきかと思います。例えば、日本電産の小型モーターとか。

一般消費者相手の商品を作ったところで、中国や韓国のメーカーが価格競争をするわけで、そこに巻き込まれても儲けなんて出ません。生産財を中韓メーカーに売って、彼らの価格競争を高みの見物させてもらう。そのほうが利口なのではないでしょうか。